連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2018開催状況-第32回

医療救護の状況(前半)

競技運営

私事で恐縮ですが少しだけ…本年9月6日に発生した北海道胆振東部地震の、その2時間前のこと。私のカミさんの母親(即ち私の義母)が夜中に突然の心肺停止状態となり、救急車で運ばれました。搬送先は市立函館病院の救命救急センターです。

その時のことはもちろんよく覚えています。なにしろ真夜中に電話が鳴り、「ばあさんが救急車で函病(※地元では市立函館病院のことを『函病』(かんびょうと略します)に運ばれた」、「心臓がとまったらしい」という内容だったからです。カミサンはあわてて函病に向かうこととなりましたが、私は「大丈夫だから」と自宅待機。何故なら心臓が止まったまま家に居るわけでなし、救急車で運ばれたというのならば救急隊員による救命措置を受けているだろうし、さらに運ばれた先は函病だからと安心し、そして…割とすんなり眠りについたのでありました(←薄情な男です)。

しかし…そのような状況のあとでその時が来ました。午前3時7分、携帯電話の緊急地震速報が鳴り響き、浅い眠りから覚めると…少しして家の中が揺れだしました。薄情な男はようやくここで我に返りました。「ばあさんは大丈夫か?」と。程なくしてカミさんに電話が繋がり、訊くと「心臓は戻った」、「意識は戻っていない」、そして「手術の最中に地震があった」、「建物全体がじんわりと揺れた(※さすがの免震構造です)」とのこと。

その後、義母は約ひと月にわたり集中治療室(ICU)でお世話になりましたが、その間、問いかけに対して目の動きで反応してくれるようになり、手足が動かせるようになり、声が出て。さらに一般病棟に移ってからは相撲を見て、時代劇を見て、メシを食い、少し歩き…と、今日もなお入院中ですが、一時的にせよ心肺停止であった状況から劇的な回復ぶりを見せております。

「少しだけ」と言いつつ、また長くなりましたね…本題に入ります。

過日、その函病で函館マラソン医療救護チームの反省会が行われました。主要スタッフ10数名が集まり、今年の函館マラソンの現場で起きたこと、そして改善すべきこと、また、あるべき体制について議論が交わされました。とりわけ重要な討議テーマは、大会中としては12年ぶりに発生した心肺停止事案に接し、あらためて、我々はどのように対応するのが最善なのか…ということでした。(つづく)

 


▲いつもは路線バスとして市内を走っている車両を利用した「コース上救護所」と、AEDを背負いながらコース上を走る「メディカルバイク隊」

 

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