連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2021準備状況-第15回

ポスターに込めたもう一つの想い

その他

私の日課のひとつに、全国のマラソン大会の状況確認があります。皆さん、我々と志を同じく、開催に向けひたすら準備を進めていらしたのですが…残念なことに、ここに来て4月の大会が相次いで、中止を発表されています。そのような状況ではありますが、我々、大会は7月ですので、開催に向け周到に準備を進めてまいります。

また、昨年のこのコラムで各担当者から“我々のコロナ対策”をお伝えしましたが、今後さらに、コロナ対策に関する追加情報や準備状況について発信します。

さて、前回のコラムでキャッチコピーを発表しましたが、皆様の印象はどうでしたか?私、個人的には函館の街にぴったりのフレーズで、大変気に入っております(手前味噌ですかね…)。函館の街全体でランナーの皆様をお迎えする意気込みを感じていただけるとありがたいです。

キャッチコピーとともにリニューアルされたホームページ。このデザインは2021大会のポスターデザインの一部を利用して作成したものです。このポスターには遊び心が一杯詰まっておりますので、じっくりご覧ください。

今回も、函館の観光名所や歴史的な建造物、塩ラーメンや海鮮丼、五勝手屋羊羹やメロンなど、函館マラソンの魅力を満載したポスターデザイン。私が「みなさん、お分かりになったかな?」と少し心配なのは、一番下の列の先頭を走る人物?についてです。「この得体の知れない宇宙人は何者だ。」と、全国のランナーから突っ込みがありそうなので、若干説明いたしますね。

この“ランナー”、実は縄文時代の土偶なのであります。「茅空(かっくう)」と名付けられたこの中空土偶(内部が空洞になっている土偶のこと)は、函館市の南かやべエリアにある著保内野(ちょぼないの)遺跡から出土しました。北海道で唯一の国宝にもなっており、縄文のアンバサダー的存在なのです。

なぜ、この土偶を走らせているのかといいますと、函館市内にある大船遺跡と垣ノ島遺跡という2つの縄文遺跡は、現在、「北海道・北東北の縄文遺跡群(北海道・青森県・岩手県・秋田県)」の構成遺産として世界遺産登録を目指しています。

昨年9月には、世界遺産登録の前提となるICOMOS(国際記念物遺跡会議)の調査員が、これら2遺跡の現地調査のため函館を訪れました。今、函館では、今年7月頃に中国で開催される世界遺産委員会での世界遺産登録への期待が高まっています。

このような経緯から、函館マラソンとしても「世界遺産登録への機運向上に役立ちたい!」との思いから、ポスターで土偶「茅空(かっくう)」を走らせました。マラソンとは直接関係のない内容ではありましたが、私、どうしてもお伝えしたかったものですから、長々と綴ってしまいました。

これから、約半年後…北海道・北東北の縄文遺跡群が世界遺産登録され、さらに、函館マラソンが開催されることが、初夏の函館市にとって、非常に明るい話題となること間違いなしですので、我々、本当に頑張ってまいります。皆様も、ときどき、函館マラソンのポスターを眺めて希望を持っていてくださいね。

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