2017開催状況-第6回
10分間時差式スタートについて
2017年08月07日
競技運営時差式スタートの導入にあたっては、「2017函館マラソン準備状況 第5回~第7回」において、その導入によるプラスとマイナスの効果などを考察していたところです。
かいつまんで申しあげますと、時差式スタートを導入すれば、
・スタート時の混乱については解消できる
・一方、先発種目の遅いランナーと後発種目のトップとの間で「追い越し」が発生する
・「追い越し」は10分間時差で2キロ地点、20分間時差でも4キロ地点で発生する
・現状、20分間の時差を設定できる環境にはない というものです。
その後、関係機関との協議を経て、2017大会では「ひとまず」10分間時差式スタートの実現が叶いました。そして上記考察のとおり「追い越し」も発生しました。
「追い越し」、「追い越される」両者の関係は、互いに「邪魔」な存在として認識されてしまいがちです。このため極力ストレスが発生しないよう、競技面を担当する道南陸上競技協会において多くのスタッフがコース上に投入され、互いの分離を促す手持ち看板や個別の注意喚起など、各種の対策が展開されたのでありました。ただし、結果として、それでも多くの方から「不十分」とのご指摘を受けたのは事実です。
この件、現状では解決に向けた道程は遠く、厳しいものがありますが、次回大会の開催要項を公表する来年1月中旬までの間に、関係機関・団体との協議を深め、一歩前進の改善策を展開できれば…と考えております。
「ハーフを8時スタート、フルを9時スタートとすべきだ」、あるいは「フルとハーフを別々に開催すべきだ」等のご意見があることは承知しております。そうしたご意見は函館マラソンの「理想型」を希求していくうえでは有益であり、今後、聖域を設けずに議論をしてまいりますが、一方においてこの散文の全シリーズを通じてこれまで書き続けてきたことは、市民生活とマラソンという大規模イベントとの調和。
調和なきものは淘汰され、最終的に形は残らないのかなと考えております。だからこそ今日、多くの大規模マラソンが辿ってきた成長の過程などを参考としながら、少しでも理想型に近付いていけるよう、「一歩」を大切にしながら前進してまいります。
この辺のイメージは、成功体験を基として緩やかな合意を積み重ねていくことで毎回「あと10分」を希求していく…といった感じでしょうか。この場で何度か触れてまいりました「6時間マラソン化」は、そうして歩んだ道の先に必ずあると信じています。