連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2017準備状況-第6回

制限時間が延長できたとして、それをどこに配分するか?(その2)

競技運営

函館マラソンの、とりわけフルのコースは特徴的ですよね。なにせ5箇所も折返しがあったり最終局面であの「ともえ大橋」が皆様をお待ちしている訳ですから。ただ、一番の特色といえば、同時スタートしたフルとハーフが8.4㎞地点で分離し、フルはそこから9㎞以上も遠回りした後、再度ハーフと合流するという点でしょうか。

このような変則的コースで種目別分離スタートやウェーブスタートを導入した場合のメリットとデメリットを考察してみました。そもそも導入できるか?そして函館マラソンにとって効果的なスタート方法とは?

繰り返しになりますが、スタートには大きく2つの方式が可能であると考えています。
A:一つはフルとハーフのスタート時刻を分ける種目別分離スタート
と、もう一つは
B:種目が混在したままブロック毎にスタート時刻を分けるウェーブスタート です。

A方式は、フル・ハーフ・10㎞など複数種目が催行される大会の場合、一般的にこの手法が採用されます。一方、B方式は、ウェーブスタート自体が我が国において導入事例が少ない中(※代表例:つくばマラソン)、種目が混在した状態での導入事例については、当方では把握しておりません。

では、A方式から考察してみます。函館マラソンは、上述のとおり8.4㎞地点にフルとハーフの合流ポイントが存在することから、①仮にフルを10分先にスタートさせた場合、合流ポイントでは今回以上の人数が「交錯」することとなり、そこでの混乱は増大します。一方、②ハーフを10分程度先出しさせた場合ですが、分離合流ポイントにおける交錯は、計算上はほぼ皆無となります。

ただし、どちらを先行させたにせよ③10分間分離スタートの場合、2㎞地点付近で先発種目の遅いランナーと後発種目のトップランナーとの間で「追い越し」が発生します。④20分間隔としても4㎞地点で追い越しは発生します。

A方式(種目別分離スタート)の考察
■ハーフ第1折返しポイントでの「交錯」想定


■フル トップランナーの「追越し」想定

(つづく)

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