連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2016準備状況-第3回

フルマラソンのコース造成(後半)

コース

あちらを立てればこちらが立たず…フルマラソン検討部会でのコース造成は難航しました。それは、前回お知らせした「2つの方向性」を維持しつつ、
・駅、空港、フェリー乗り場など公共交通機関へのアクセスを確保すること
・コース沿道部で袋小路となる地区を最小限とし、可能な限り迂回路を確保すること
加えて、同時開催するハーフマラソンについてもさらなる高速化を図るため高低差を最小限とし、より平坦なコースへと改善すること…などを課題として設定したからです。

これらの解決に向けて、事務局ではフル・ハーフ同時開催のマラソンや海浜部をコースとするマラソンなど各地の大会開催状況を調査しました。そこで出会ったのが「新潟シティマラソン」。

新潟シティマラソンはフル・ハーフ同時開催であり、実施規模も調査当時(※平成24年)はフル・ハーフ・10キロが各3千人といい感じ。3競技同時スタート方式で8時半に号砲。とりわけ驚いたのが途中でフルとハーフの分離・合流ポイントがあることでした。

要するに、一度別れた恋人が遠回りして後を追っかけてくる的状況です…わかりにくいですね(ちょっと怖いし…)。

それはさておき、フルとハーフが一度分離し、同じ場所で合流するということは、ハーフの後半集団とフルのトップグループが、一定時間その分離・合流ポイントで「かち合う」ことになります。そこで、それをどのようにして運営しているのか…我々事務局は、その瞬間を確認するため大会当日に現場を訪れ、この目で直に見てビデオにも撮ってきたのでありました。

現場では驚くほどスムーズに運営がなされていました。審判の方々が見事に現場を整理し、「フルは直進、ハーフは折り返し」と何度も声がけをしてミスコースを防止していたほか、懸念していた「かち合い」の場面でも、「フルが来ます、ハーフはセンターライン側」のかけ声で、片道1車線の細い道路を見事に分離していました。

フルマラソン検討部会でのコース造成に向けた討議は、作業部会や関係機関との意見交換会も含め1年間で計12回におよびましたが、新潟の「分離・合流ポイント方式(※当方で勝手に命名)」が我々に大きなヒントを与えてくれたこともあり、結果、平成25年4月、「コース案」の作成に至ったのでありました。

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