連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2025大会に向けて-第3回

スタート方法はどうなる(その②)

競技運営

どうも。3代目マラソン課長です。

前回コラムに引き続き、2025大会のスタート方法の見直しについて詳しくお伝えしたいと思います。

前回コラムでは、2024大会のスタート直後の状況を振り返り、混乱が生じた原因や2016大会以降のスタート方法などの変遷を確認しましたので、今回は2024大会でハーフのスタートに時間を要した要因から始めたいと思います。

ハーフのスタートに要した時間は2024大会では約8分、2019大会では約5分と約3分の差が生じていますが、この約3分の差が生じた要因について、前回コラムをお読みの方はもうお分かりかもしれませんが、事務局としては、

① ハーフの出走者数が過去最多となったこと
② 部門別順位の決定にネットタイムを導入したこと

の2点の影響が大きいと考えております。

①については、単純に出走者が増えたことによる影響です。2024大会では2019大会から約800人ハーフの出走者が増加したため、それに伴いスタートに時間を要したことは間違いありません。

②については、2022大会から導入していますが、スタートラインを越えてから計測を始めるネットタイムが定着し、号砲から計測されるグロスタイム採用時に比べてゆっくりとスタートする人が多くなったため、結果的にスタートに時間を要することになる一方、2023大会ではハーフとフルのスタート間隔を30分としていたため、ネットタイム導入による影響がありませんでしたが、スタート間隔を10分に戻した2024大会で問題が顕在化してしまったものです。

次に①と②が主な要因だとすれば、その対策をどうするかということになります。

①についてはハーフのエントリー数を抑えるしか方法がないと考えておりますが、過去のコラムでも何度か触れているとおり、マラソン大会の収入は市等からの「負担金」、協賛企業様からの「協賛金」、ランナーの皆様からの「参加料」の3本の柱によって支えられておりますので、ランナーを確保できなければ赤字になる恐れがあり、必要な額の収入を確保するためハーフ・フルのエントリー受付のバランスが非常に難しく、2024大会でも予定していた参加料総額を何とか確保したというのが正直なところです。

②については、その対策の前に2024大会のスタート方法等を決定した経過を振り返りたいと思います。2022と2023大会ではコロナ対策として例外的にハーフとフルのスタート間隔を30分とした上で、フルの競技時間をこれまでどおり確保するため交通規制時間を20分延長していただきました。コロナ対策を実施しない2024大会では、スタート間隔をコロナ禍前と同じ10分に戻すとともに、交通規制時間も20分短縮することが基本とされていました。

マラソン大会の大規模な交通規制は、市民生活や事業活動等に本当に多大な影響を及ぼすことになりますので、通常ベースに戻すのは当然のこととは思いつつ、事務局としては、「新型コロナウィルス」という未曽有の危機を経て実現した奇跡的な交通規制時間の延長ですので、これを機に何とか競技時間の拡大につなげたいとの思いから、スタート間隔を10分に戻しつつ、延長した交通規制時間を維持することについて交通規制関係機関との協議を行いました。市民生活等への影響を考慮すると難しい調整となりましたが、最終的には関係機関のご理解をいただき、フルの制限時間を5時間30分から5時間50分へと20分拡大することに成功しました。(新型コロナウィルスの対応がなければ制限時間の20分拡大は本当に実現が難しく、奇跡的な20分なのです。)改めて関係機関の皆様と、交通規制にご理解・ご協力をいただている市民・事業者をはじめ多くの皆様に感謝申し上げます。

こうした経過があるため、②の対策としては、ハーフとフルのスタート間隔を拡大する方法が一番簡単で効果が見込めるものの、交通規制時間のさらなる拡大は困難なため、競技時間を短縮せざるを得なくなりますので、ハーフとフルのスタート間隔を拡大する方法以外に効果的な対策がないか検討した結果、着目したのがスタート順でした。

函館マラソンのスタートは、2016大会では、ハーフとフルを区分せず走力に応じてブロック分けし、早い順に整列させたうえで一斉にスタートしましたが、暴風の中での開催となったことに加え、ハーフ・フル混合のブロックであることの影響などにより課題が生じたことから、2017大会以降はハーフとフルを分けて、ハーフが先にスタートをし、その10分後(コロナ禍を除く)にフルをスタートする方式を採用してきましたが、フルのエリートランナーを含む先頭集団がハーフの後方集団のランナーを追い越す事象の主な要因は、先にスタートをするハーフの後方集団と後からスタートをするフルの先頭集団の走力に大きな差があることから生じるものなので、こうした要因を排除するため、2025大会では以下のとおりスタート方法を見直すこととしました。

① ハーフとフルをそれぞれ、エリートランナーのブロックと一般ランナー(陸連登録含む)のブロックに分け、予想タイム順にブロックを区分
② ハーフのエリートランナーを先頭として、次にフルのエリートランナー、以降、一般ランナーのブロックを早い順にハーフ、フル交互に整列
(先頭から最後尾までハーフとフルのブロックが交互に並び、最後尾はハーフのブロックを予定しています)
③ ハーフ・フルを同時にスタート

この方法の採用により、フルの制限時間が号砲から6時間となるほか、フルのトップランナーを含む先頭グループがスタート後間もなくの時点でハーフの最後尾を追い越さなければならない(逆にハーフの後方集団がフルの先頭グループに追い越される)ストレスは、かなり解消できるものと考えております。(それでもハーフ・フル同時開催のため、それなりに走りづらさはあると思いますので、「ハーフは右側・フルは左側通行」を守り、それぞれのランナーがお互いに配慮した走行にご協力をお願いいします。)

詳細については、最終的に年明け1月末頃に開催する実行委員会で決定しますので、実施要項等の公表については、今しばらくお待ちいただきたいと思います。

本当は今回のコラムで函館マラソンの大きな課題の一つである荷物預かりの見直しにも触れたいと思っていましたが、ここまでで過去一の長文になったので断念させていただきました。最後までお読みいただいた方(もしかしたらいないかも…)には本当に感謝です。

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