連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2017準備状況-第14回

コースについて

コース

ランナーへのアンケート結果などをみると、「コースの幅が狭い」というご指摘を数多くいただいております。「狭い」を解消するためには「広い」幹線道路を巡るコースを設定するのが一番なのでしょうが、それが難しいということは、これまでこの散文シリーズで何度も触れてまいりました。要するに、それができないからこそ長く函館ではフルマラソンができなかった…ということです。

ただし、2016函館マラソンにご参加いただいたランナーが、「狭い」という評価を下しているというのは「事実」であり看過できません。

そこで、この解決に向けた一助とするため、本稿の第5回から第7回で触れたとおり、種目別分離スタートなどスタートの波動を分散する手法の導入を検討しているほか、抜本策としてコースの物理的な拡張、即ちマラソンで使用する車線の拡大を目指し、関係機関との協議を進めています。

また、コースの関連事項として、函館マラソンでは、皆さんの大切な記録を確実に保全するため、少なからぬ費用を投入してラップタイムを計測してまいりましたが、2017大会では参加者から要望が多かった「5㎞毎ラップタイム」を計測する予定です。

2016大会では、フル参加者のラップタイムは5㎞→10㎞→20㎞→30㎞→40㎞のデータを記録証に刻んでおりましたが、次回はそこに15㎞・25㎞・35㎞ラップも加わりますので、ランナーの皆様にとっては「走り」の目安としてご活用いただきたいと考えております(※ハーフも従前どおり5㎞毎のラップを計測します)。

なお、函館マラソンの最大の難関である「ともえ大橋」の往復ですが、2017大会も引き続き皆さんをお迎えいたします。潮風を浴びる「漁火通」などを含め、全般を通してタフなコースであるのに変わりはなく、途中で
「たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」(※1)ならぬ
「たたずんで脚をさすりて そのあまり重きに泣きて 三歩あゆまず」となりそうですね。

ただ、苦しくても沿道のそこかしこで、例えばレース中盤をなす青柳町あたりでは、
「函館の青柳町こそかなしけれ 友の恋歌 矢車の花」(※2)ならぬ
「函館の青柳町こそいとしけれ 友の声援 手作りの旗」となるよう、市民の総力をあげて皆さんを応援したいと考えておりますので、とりわけフルにご参加いただく皆様には、今から「日本一過酷なファンラン」への備えをよろしくお願いいたします。
※1・2 参考:ともに石川啄木「一握の砂」より

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