連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2017準備状況-第31回

「がごめ汁」開発状況(その1)

フード

前回の聖なるお話からは一転しますが…今回は、ゴール後「全員」に提供できるフードの創出に向けて取り組む旦那衆の力強い姿を、シリーズで紹介させていただきますね。

さて昨年の10月頃のこと。2017大会の「おもてなし広場」での振る舞いメニューをどうしようかと悩む私に対し、旭川市の強者ランナーYさんから「レース後は塩分補給が重要。だからふるまいは味噌汁が最高!」というアドバイスをいただき、「お、そりゃいいわね」、「それで決定!」と喜び勇んだのでありましたが…ではどのようにすれば8千人もの方に味噌汁を提供できるのか?それを考えると…ちょっと考え込みました。

一杯分の分量はどうするのか?/シュッとした紙コップで提供するのか?どんぶり的なプラカップか?/8千人に提供するためには、提供窓口を何ライン確保する必要があるのか?/寸胴の大きさは?それを何個用意するのか?/現場で作るのか?どこかで作ったものを持ち込むのか?/外注するのか?そもそも受け手がいるのか?/必要な機材は?スタッフ数は?味付けは?/皆に喜んでいただける「函館らしい」具材は?(7月アタマにそれが確保できるか)/費用は?どこかで協賛してくれるアテはないか?

悩む私に救いの手を差し伸べてくれたのは、日頃お世話になっている老舗酒店の社長氏。

「なんも、オレなんか相撲の函館巡業の時とか、何回も炊き出しやったことあるっての」
「こういうのはあまり深く考えなくてもいいんだって。チャッチャとつくれるだろ味噌汁8千人分ぐらい(チャンコ出す方が大変だって)」
「まずね、最高に旨い味噌汁を作ることだけを考えるんだわ」
「味のキメ手となる具は…函館だもの『がごめ昆布』しかないわ」
※がごめ昆布:主に函館東海岸に生育する希少価値の高い海藻。葉一面に籠の目のような複雑な凹凸模様を持つことから「がごめ」と呼ばれるようになった。強い粘りのある独特な食感と豊かな風味が特徴
要はこんな感じです

「味噌はさ、北海道だもの白味噌ね。料亭で出すような高いやつ使わないとだめだって」
「それとやっぱりストーリーも大事だわね。そのキモは…誰が作るのかだわ」
「やっぱり料理人だろ。それも和食の料理人だわ。至高の和の料理人…いいねぇ」
「(一息ついて)あ!…ここ、湯の川温泉街だろ」
知り合いの有名旅館のモト料理長なんだけどさ」
「引退してから麻雀ばっかりやってるんだわ」
「ちょっと頼んでみるわね」、「まず、任せなさい!」

氏の眼鏡の底がきらりと輝いたかと思った次の瞬間、このように怒濤の如く、このたびの「がごめ汁提供計画」が語られていったのでありました。(つづく)

老舗酒店の社長こと
(株)イチマス 加藤隆司氏

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