連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2019開催状況-第7回

エイドステーションの安全対策

コース

函館マラソンにはフルとハーフの「同走」区間があり、それが大きな「特色」となっていますが、一方で、2つの競技の参加者が「同走」することにより、時に交錯が発生するなど少なからず混乱が見られるのも事実です。

そうした現象を可能な限り抑制し、安全で快適な大会となるよう、これまでも様々な対策を展開してきましたが、今大会では、以前のコラムで触れたとおりコースセパレートを強化したほか、あわせてエイドステーションでの新たな安全対策を試行しました。

フル・ハーフ同走区間のエイドステーションは6箇所あります。このうち、
第1エイド(フル4.7㎞・ハーフ4.7㎞地点):2017大会から左右分離
第5エイド(フル17.8㎞・ハーフ8.5㎞地点):2018大会から第5エイド手前のフル単独コース上に、トップランナー用の小規模エイドを分離配置
第9エイド(フル28.7㎞・ハーフ18.4㎞地点):2018大会から左右分離
以上、3箇所については競技毎にエイドステーションを分離した結果、交錯解消に一定の成果をあげました。

ただし、残る3箇所ですが…
第6エイド(フル21.5㎞・ハーフ12.2㎞地点):片側2車線の道路を全線使用するも反対車線には一般車両が通行 → 右手側は危険かつ水補給もできない
第7エイド(フル24.1㎞・ハーフ14.8㎞地点)、第8エイド(フル26.5㎞・ハーフ16.2㎞地点):片側2車線の道路を往復全線使用 → 右手側は水補給ができない
…交通事情や技術上の問題から、エイドを競技毎に「左右分離」することは、道路のど真ん中でエイドステーションを設営することになってしまうため困難な状況です。

そこで、上述した第5エイドの分離配置に着想を得て、今大会では第6~8エイドにおいて「前後分離」を試行実施しました。具体的には、フルのトップランナー専用エイドを進行方向の左手奥側に別途配置(※フルの先頭ランナー到着後30分程度の間、臨時開設)。交錯解消に一定の効果を発揮するという目論見でした。

その結果…アンケートなどでこれまで数多く寄せられていた「フルとハーフが交錯して危険」、「急に立ち止まる人がいてぶつかった」、だから「左右にセパレートすべきだ」というご意見については…残念ながら「撲滅」はできませんでしたが、
・エイドが別れており、昨年より混雑せずエイドを取ることができました!
・エイドもハーフと分けられていてストレスなし!
というご意見や

・常設エイドとフル専用エイドの間隔が狭い(※対策:間隔をさらに広げる)
・専用エイドもあったが机が短く、使いにくかった(※対策:机を長めに配置)
・ハーフの後方ランナーとフルの前方ランナーが交錯してしまうので、もう少し分かりやすく表示した方が良いかと(※対策:案内を充実)
・フルとハーフが合流してからは、もうぐちゃぐちゃ。エイドを分けるより混雑を解消する方が先(※対策:コースセパレートを強化)
という具体的な改善アドバイスをいただきました。

このため2020年大会は、まずは運営スタッフの安全確保を最優先とするため「前後分離」を基本とし、そこに今回の「試行」データやご意見・ご提言を踏まえ、さらなるチューニングを加えたいと考えています。

▼フル・ハーフ「同走」区間における安全対策(概要図)

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