連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2017準備状況-第32回

「がごめ汁」開発状況(その2)

フード

「いや~、味噌汁のこと話したのよ料理長にさ」、「そしたらさ、料理長ノッちゃってさ。ってか、もう色んな人に『マラソンで味噌汁つくるから手伝え』って言っちゃってるみたいよ」、「なにせあの人、調理師学校の先生もやってたでしょ?だから調理師学校にも手伝いを頼んできたみたいよ」、「で、もうOKもらってるみたいね」

そのように電話口で軽妙に語る老舗酒店の社長氏(※長いので以後「老舗社長」という)の状況説明を聞いた私…焦りました。それになんなの、その料理長の行動力!

実は、函館短期大学付設調理製菓専門学校さんには昨年大会で夕張メロンのカットをお願いしたこともあって…まだ次回のメロンカットもお願いしてない状況で、いきなり横から味噌汁作りも加わったとなると…物事を依頼する順序としてはちょっとマズい。

進みすぎた針を若干戻してアジャストする。そのためには…まず、料理長との直接面談しかないわね…と、老舗社長にご同行いただいて、すぐに料理長のご自宅(※豪邸)を訪問させていただいたのでありました。すると…。

「おれね、この前、市から市民貢献賞もらったんだわ(※平成28年度 産業経済功労:料理人として、魚食普及の料理教室やがごめ昆布のレシピを考案することにより、食文化の向上発展に大きく貢献)」
「だからさ、何かしら市に恩返ししたいと思ってたのよ」
「マラソンの味噌汁の話を聞いたとき、『ああ、これだ』って思ったね」
「これがうまくいって全国から来る皆に喜んでもらえたら…おれの人生、悔いはないよ」

御年83才、山形出身の至高の料理長が独特の口調でとうとうと語る「おもてなし」への思いに触れたとき、私、素直に感動したのでありました。

そして…料理長の事前工作?の甲斐あってか、調理製菓専門学校での打ち合わせは、当初、ボタンの掛け違いなどから緊迫した雰囲気に包まれましたが、次第に専門家同士の前向きな議論を経て進展し、「カップはこれだ!」、「具はやっぱりがごめ昆布だろ!」、「イモとか入れる?走ったあとだから固形物は入れない方がいいんじゃないか?」、「味噌は最高のものを使うべ」、「さあ、次は試作だ!」…と、急激に針が回り出したのでありました。(つづく)

至高の料理長こと秋保 栄氏

 

Twitter Facebook HatenaBookmark LINE