連載コラム 前略 マラソン課長より 事務局の取組みや想いを綴ります

2016準備状況-第5回

事業費はどうやって確保する?(前半)

事業費の確保

マラソン開催にはどのぐらいのお金がかかるのか?

そのマチの地形や交通状況、さらには大会規模などにより開催経費は大きく振幅しますが、開催実績25回を誇る函館ハーフマラソンの場合は約5千万円でした。でもなぜ?ただ道路を走るだけなのに?私も数年前にその金額を聞いてかなり驚いた記憶があります。

函館ハーフマラソンの場合、全体事業費の5割超が会場設営や皆さんへの記念品、募集に関する広報、さらには記録集計など大会運営経費に充てられています。また、函館ハーフマラソンは市街地を走るコース設定であり、それゆえ沿道からの応援が充実しているとの評価をいただいていますが、一方で市街地内の交通渋滞抑制や安全確保、さらには事前広報など対応策が必要となり、それが全体事業費の約4割を占めています。

ではフルマラソン化で事業費はどうなるのか?

お答えします。超概算で申し上げるとハーフの約3倍、約1億5千万円超の規模となります。後述しますがフル化にともなう運営上の大きな変更点としては、コースが2倍の距離となることによる大会運営費や交通関係経費の増はもちろんですが、新たに医療・救護面の強化が必須事項となります。また、これまで要望の多かった競技終了後のおもてなしイベントの開催、そして北海道新幹線開業記念大会の名を冠するに相応しい参加者記念品の充実なども、事業費増加の要因として加わります。

次の問題は、そのような巨額の事業費をどのようにして調達するのか?函館マラソンのフル・ハーフの参加者計8千名で全ての開催費用を負担していただくと仮定した場合、参加者一人当たりでは 
1億5千万円 ÷ 8千人 = 約1万9千円/人
と、極めて高額な参加費となってしまいます。

マラソンは、健康増進や経済面での貢献、さらにはシティプロモーション効果など、地域に多面的な波及をもたらすものとしてその評価が高まりつつあります。こうした状況を背景に、各地のマラソン大会については参加しやすい現実的な単価設定がなされた中で、自治体からの補助金や企業協賛などを得て事業収支の均衡が図られているのが通例となっています。なおその比率は一般的に参加費:補助金:協賛金=1:1:1と言われています。(つづく)

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